こんにちは! 管理栄養士のSAYA@s.diet_adviseです!
前回は PMS(月経前症候群)とは何か? についてご紹介しました。
「そもそもPMSってどんな症状?」という方は、こちらから👇
今回はその続編として、PMSが悪化する要因のひとつである 栄養不足 に注目します。
特に女性に不足しやすい「鉄・マグネシウム・ビタミンD」は、心身のバランスに欠かせない栄養素です。
不足するとどんな不調が出るのか、そして日常生活でどう補えばよいのかを解説していきます。
鉄不足とPMS
鉄は酸素を体に運び、エネルギーをつくる栄養素です。
不足すると 疲労感・めまい・頭痛・イライラ・集中力低下 を招き、PMSのだるさや気分の揺れを強めます。
おすすめ食材
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赤身肉、レバー
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カツオ、マグロ
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ひじき、大豆製品
ビタミンC(柑橘類やブロッコリー)と一緒に摂ると吸収率が上がります。
マグネシウム不足とPMS
マグネシウムは神経の興奮を抑え、筋肉をリラックスさせる「心を落ち着けるミネラル」です。
不足すると イライラ、不眠、片頭痛、便秘、むくみ が起こりやすくなります。
実際の研究でも、血中マグネシウム濃度の低下がPMSのリスクを高めることが示されており、補給によって症状改善の傾向が報告されています
引用:PMCID: PMC4667262 / IJWHR 2015
おすすめ食材
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アーモンドやカシューナッツなどナッツ類
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海藻(わかめ、昆布)
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豆類
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ダークチョコレート
ストレスやカフェインで消費されやすいので、意識して摂りましょう。
ビタミンD不足とPMS
ビタミンDは骨の健康だけでなく、ホルモン調整や気分の安定にも関わります。
不足すると 抑うつ感・強い疲労感・免疫低下 が出やすく、PMSの気分症状を悪化させる要因となります。
特に研究では、黄体期のビタミンD不足が症状を悪化させ、補給により改善するエビデンス が示されています。
引用:PMCID: PMC6422848 / Nature Sci Rep 2019
さらに、マグネシウムが不足するとビタミンDの活性化が妨げられるため、両方を意識的に摂ることが重要です。
おすすめ食材
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鮭、サンマ、イワシなどの魚
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卵黄
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干ししいたけやきのこ類
日光浴(1日15分程度)で体内でも合成されますが、その効果を十分に発揮するにはマグネシウムをしっかり摂ることが大切です。
まとめ:小さな工夫で症状は和らぐ
PMSはホルモンの変化に加え、鉄・マグネシウム・ビタミンDの不足が重なると悪化しやすくなります。
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鉄 → 疲労や貧血対策
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マグネシウム → 精神安定・リラックス
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ビタミンD → 気分の安定・免疫調整
普段の食事に少し意識して取り入れるだけでも、PMSの症状を和らげる手助けになります。必要に応じてサプリや専門家のサポートを取り入れながら、自分に合った方法でケアしていきましょう。
参考文献
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Bahrami N, et al. Serum calcium and magnesium levels in women with premenstrual syndrome. Int J Reprod Biomed. 2015. PubMed Central
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Jafari F, et al. The effect of vitamin D supplementation on premenstrual syndrome. Sci Rep. 2019. Nature